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『梓・安曇・・・・そして亮二』雌猫

それから亮二はフリーのライダーとなり日本に帰った。
後を追うようにオリビアも日本に来た。
そして暮らした先は長野県の寒村小川村のはずれ 亮二の故郷だった。
村はずれの一軒家、オリビアも驚いた。
なんて良いところか 「遠く残雪がそびえる」まるでアルプスの麓のような村・・・・そこで子供を宿したのである。
それも双子の可愛い子だった。

亮二は炭焼きの仕事をした。
子供をあやしながら不思議な運命を感じていた。
子供の名は「あずさ」「あずみ」と着けられた。
野山を駆け上がり小川で魚を追いかけてすくすくと育った。
やがて中学校.あまりにも似てたので先生方もいつも笑った。
其の訳はあまりにも似てる2人が同じ動作を繰り返すから……そしてお互いが張り合っている。
亮二の自慢の娘である。
やがて中学校。
ある日あずさが「これからアメリカに留学したい」と言った。
亮二は考えた。
(私も若い頃多くの夢を抱いて世界中を旅をした)
あずさもそんな歳になったんだろう。

アメリカの暮らしは決して楽ではない。銃社会のあずさには解っていなかったのである。日本で育った彼女にはそんな事情には解っていなかったのだ。
ただ勉強に明け暮れする事では無かった。
まず銃を習い格闘技を覚え自分の身は自分で守る事を思い知らされた。


又あずみは地元の中学・高校を出て警視庁の刑事となり地元の警察に就職した。
お互い地域は違うけれど同じ警察の道を選んだのである。
一卵性双生児の彼女達だが明らかに亮二にはすぐ解った。
あずさは筋肉の弾みが違う・・・あずみは柔らかに弾む。
あずさは銃撃戦にも慣れて動きも早い。
亮二は当分アメリカに行く事にした。
そしてロス市警についた。

亮二のフランス時代の友人(フェルナンド通称フェル)がロス市警の上司に付いていた。
あずみは市警のアイドルだった。
腕前もだが何しろ美人である。
あずみの恋人のジャンは目下出張中で会うことが出来なかったが非常に熱血漢だそうだ。何でも台湾に出張中だそうだ。
目下はアメリカ社会にはびこる麻薬事件の首謀者を追って部下と共に隠密行動を取っているとか・・・
あずみも亮二と共に台湾に飛んだ。

サンワン・レジデンスで荷解きをして街にでた。
とある倉庫の隅であやこは「リック」と叫びそうになり亮二はその口を抑えた。
瞬時に判断をした亮二が口を押えたのだがあずみは分からなかった。
その男リックは前の男達を追ってたのだ。
リックはあずみの姿を見て小さくうなずいて伏せるように指示して銃眼を構えた。
亮二はとっさに道端のバイクに乗って走り出した。
リックの銃弾を受けた男を拾い消えた。

と ある街角のビルの一室で亮二は過の男の傷口から弾丸をぬいた。
その間にいろんな話を聞き・・・ここは一つあずみの為を思って骨を折ってやるか・・・と覚悟を決めた。
リックが撃った敵の傍らに付いて行くことにしたのだ。「この男はリックの追いかけている仲間に違いない」「必ず仲間の所に戻る」
亮二は大きな賭けに出た。
そして仲間に戻る。
亮二はあずさ宛に「ことの顛末を話し・決して心配するな」と結んだ。
後は無事に乗り切れるかどうか・・・?
リックは血糊の後をたどりこの倉庫までたどり付いた。
そして亮二の血染めのハンカチを見付けた。
そして「つぶやいた・・・君のオヤジはとんでもない親だ」あずみの父親は[命知らずの暴れん坊だ・・・]と。



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2016年02月28日

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