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銀狼

銀狼』


明治初期の事である。
この小さな村里に仙造と云うマタギが住んでいた。
彼は山住族(マタギ)の末裔である。
彼は熊撃ちの名人として近隣の村々に知られた男だった。
毎日 山深く入って行って大きな獲物を取り生活をしていた。
沢を上り熊の足跡を見付けると執拗に追い駆け最後には絶対に仕留めて里まで引きずって下りて来たのである。
彼は村人にとって最も頼りになる男だった。
当時は村人にとって熊、狼、猪は天敵であったのだ。
作物は食い荒らされる、一年の収穫が一晩で水泡に帰すのである。
彼はその守り神の様に信頼と尊敬を得ていたのだった。
二頭の猟犬を連れ今日も山の中に入ってゆく。
沢を渡り山を駆け回る。
その姿は隼の様であった。

ある時 隣村に大きな熊が現れたとの知らせを受けた仙造はすぐ走ったのである。
「おかしい、これはこの辺りに住む熊では無いな」足跡の大きさから云って明らかに違う。
『魔王』だ、噂には聞いていたが山ふたつ隔てた村で大暴れをして人を食い殺した大熊に違いない。
「遂にこの近くまで現れたか」流石の仙造も身震いを覚えた。
出来れば出会いたくない相手だった。
人を喰った熊程始末が悪いものはない。
その味をしめ何度でも里に降りて来て人を襲う。
仙造はまだ見ぬ相手にどう戦うか考えあぐねたのであった。

仙造は孫娘と二人暮しだ。
流行病で息子夫婦を亡くし この山里で皆に親しまれ暮らしていた。
猟を生業としていたが決して荒々しい性格では無かったのである。
ある日 沢伝いの崖下で「キャイーン」と泣き声を聞いた。
猟犬のテツとタロウが激しく泣いた。
急いで駆け付けると銀色に輝く生後三ヶ月程の狼が崖の上から落ちたのであろう、苦しそうにもがいている。
前足を骨折していた。
狼は人間の敵である。
だが仙造は殺す事が出来なかった。
「おう よしよし、痛かろうのう」足に手をかけようとした時ガブリと噛み付かれた。
構わず「今治してやるから静かにしておれ」自分の怪我などほって置いて 真っ直ぐに引っ張り添え木を当て手拭いで固く縛って番小屋に抱いて行ったのである。
彼にはこうした番小屋が幾つも有った。
獲物を追い掛けて野宿しなければならない場合もある。
その為にはこうした小屋は必要だったのだ。

家に取って帰り薬箱を持ち出しその小屋に行こうとした時、孫娘の染子が「爺ちゃん血が出てるよ、どうしたの?」と聞いた。
「どうだ、付いて来るか?」「うん いくいく」
番小屋では二頭の犬が待っていた。
「あー 可愛い」「狼の子だぞ、気を付けろよ」「銀色の狼なんて初めて見た」
不思議と染子には「クーン」と言って擦り寄ってくる。
「これは当分番小屋暮らしだな」と 食料を一杯里から持って上がったのであった。
一ヵ月後 狼『銀』は元気に染子の後を付いて歩く様になったのである。
そして野山を駆け回っていた。
染子の傍らには何時も銀が付いてい居たのだった。
銀はとても美しい狼だった。
額に縦に黒い十字の星を付け走る姿も凛々しい男の子であった。
だが怪我も癒え 三ヶ月も過ぎる頃、何処となく去って行ってしまったのである。
「何処に行ったのかなー・・・元気で生きているのかなー」染子は淋しがった。
「狼の子はやっぱり狼なんだよ、山の奥できっと立派に生きてるさ」仙造もちょっぴり淋しかったのだった。


猟師仲間の権三がやって来た。
魔王が下の村で暴れたそうだ。
子供と母親が殺され父親が腕を噛み切られたと言う。
皆で集まって相談する事になった。
三人一組で各村を巡回する事にしたのだ。
だが 夜は・・・各村ごとに鉄砲の撃てる者を置き 山刀を使える様訓練しよう、と言う事になったのであるが・・・
そうそう一日二日で覚えられるものでは無い。
中には維新の戦争で武器を扱った者もいたが 大抵は江戸幕府から明治新政府に変わった事も分からない者も居たのも事実である。
何しろ東北の山中に点在する小さな村の事である。
大きな町に出るのも一日仕事だ。
質素な暮らしながら自給自足が出来る。
沢にはヤマメ、岩魚、アマゴ等、そっと手を入れて捕る事が出来た。
冬 雪の間は村は眠っているが春になれば山菜もふんだんに取れる。 
時々、町から足りない物を大八車で売りに来る行商人に頼めば事足りるのだ。
そんな隠れ里の様なところだが四季の食べ物は豊富にあった。
又 手付かずの美しい自然の懐に抱かれて幸せに暮らしていたのである。
唯 野生動物には手を焼かされて居たのだが・・・

魔王には不思議な能力が備わっているようだ。
必ず手薄な所を狙って襲って来る。
そして大きな爪跡を残して行く。
まるで人間の行動を見透かすように・・・
が 不思議と仙造の村には現れたためしが無い。
それを皆 不思議に思った。

その日は仙造の前には獲物らしいものが何も見付からなかった。
山深く分け入って今まで入った事のない北の山に踏み入ったのである。
「居た」沢山の鹿の群れが木の葉を食べているのに遭遇したのであった。
「しめた、今日は大物の鹿が獲れるぞ」
銃に弾込めをして足場を固める。
突然「ウーッ」とした唸り声がすると同時に鹿の群れは沢伝いに走り始めたのであった。
狼だった。
狼の群れが鹿を追詰めて行く。
仙造は「ちっ!」と舌打ちをして見送ったのである。
だが鹿の群れは突然向きを変え山伝いに逃げ始めたのであった。
そこで見たものは 銀色に輝くひときわ逞しい固まりが大鹿の首筋に飛び掛る姿であったのである。
「銀だ!」・・・銀が首を激しく振る。
大鹿は声を上げる事もなく絶命したのであった。
其処へ仲間の狼たちが群がる。
瞬く間もなく僅かの肉片を残し骨の姿だけが残った。
仙造と銀との眼が合った。
銀は近付いて来て「うーっ」と一声上げて去って行ったのである。
「此処は俺のテリトリーだ、入ってくるな」とでも言ってる様であった。
「そうか、ここは銀の縄張りなのか・・・」
帰り道の途中で野兎を二匹獲っただけの収穫だった。
染子に「銀に会ったぞ」と話したら「私も逢いたかったなー」と答えた。
銀は小さな群れの頭になっていたのだ。

毎日が何時魔王がやって来るか、来たらどう仕留めるか、緊張の日々だった。
ある夕刻、番小屋の扉が少し開いているのを仙造は気付き覗いてみた。
銀が蹲っている。
「どうした?」と近付いたところ「クーン」と泣いて首を上げた。
白く輝く毛並みには相当出血が見られたのである。
他の群れと喧嘩した様だ。
早速又治療にかかったのだった。
又 染子の出番である。
染子は喜んで番小屋に来たのであった。
今度の傷は明らかに噛み傷である。
それも相当深い。
全治するのにかなりの日数を要した。
外には三頭の若い狼が見守っていたのだ。
そのうちの一頭は明らかに雌である。
きっと銀の妻であろう。怪我の癒えた銀は 又何処となく去って行ってしまったのである。


ある夏の夜 染子の蚊帳の裾が捲れた。
夜目にも鮮やかな銀の姿があった。
そして染子の傍らで並んで横になったのだ。
「銀、来たのか?」染子は喜んで抱き締めて寝たのである。

翌朝 隣のトメばあさんが来て腰を抜かした。
なすとトマトを持って来た訳だが大きな狼が染子の横に寝てる、庭にも隠れる様に三頭の狼が居る。
仙造は皆に言った「染子と銀は友達なのさ」と・・・
一時村中に広まった噂はそれで収まったのだった。
村人は納得した。
「だからこの村には魔王が近付かないのか」と・・・
何時も魔王の影に怯えて暮らしていた村人に取って大きな安心感を与えたのは確かであった。
ある日 「沢の近くに猪が集まっているぞ」と猟師仲間の一人が知らせて来た。
仲間を集め、仙造はその沢に向った。
一斉に銃口が火を噴いた。
大猟である。
山の中腹から「ウオーン」と声が響いた。
銀の姿がちらりと見えた。
皆は思った。
銀が追い込んでくれたのだと・・・
人里放れた所に住む狼が何故この近くに居るのが不思議であった。
が しかし雪の頃ともなれば仙造の家は狼達が干し肉を求めてやって来る。
「おう 来たか来たか」と彼らに肉を与えるのだ。
だから秋の収穫時期にはうんと猟に励まねばならなかったが・・・村人もそれを承知してた。

又 隣村に魔王が現れた。
大きな爪跡を残し・・・
もう被害に遭っていないのは町に近い村と仙蔵達の住む村だけとなってしまった。
魔王を見たと云う人々からの証言によれば天を突くような大きな灰色の熊だという。
「これは内地の熊じゃないぞ、きっと蝦夷地に生息するヒグマではないだろうか」「はぐれ熊か・・・始末が悪いぞ」「一発では倒せないだろうな」
この地方では月の輪熊がほとんどである。
羆に出合った猟師は居なかったのだ。
三人一組で狙うは喉元と心臓、そして今まで襲われた村々を地図の上で線で引いてみた。
すると、ある事が判った。
周期的に廻って歩く道筋がある。
今度はこの村が危ない。
皆でその村に向ったのであった。
が 見事に裏をかかれた、先日襲われた村を再び襲ったのである。
読めなくなった。
「奴には霊能力があるのか?」
それから暫く静かな日が続いた。

染子は毎日山を駆け回って楽しんでいた。
その周りには7~8頭の銀の群れが付いて走る。
まだ義務教育も徹底されていない時代である。
読み書き算盤が出来れば上等の時代だった。
そんなものは家で教わる事が出来る。
隣のトメばあさんの息子夫婦が教えてくれたのだった。
半年もしたら魔王の噂も聞かなくなった。
「何処かで死んだのではないか」そう皆が思っていた矢先、又 下の村が襲われたのである。
今度は三所帯 無残な殺され方であった。
村人は皆この村に越して来た。
早速萱を集め木を切り家を新築したのである。
と 言っても今の家とは違う、雨露がしのげればそれで良いのである。
そして畑を開墾して作物を作る準備を始めた。
猟師達は魔王に翻弄され続けたのだった。
そして ある日 猟師たち皆の集まって相談して居る所に・・・この村に突然現れたのだ。


皆 弾込めもそこそこに表に飛び出した。
大きい 噂には聞いていたが日頃相手にしている月の輪熊とは訳が違う。
実際に見たら足がすくむ。
予定通り三人一組で十数名の猟師達が周りを取り囲む。
狙いを付け一斉に銃口から火を噴いた。
「ウガーッ」叫ぶや否や仙造達に突進してくる。次の弾込めが間に合わない。
猟犬達が飛び掛るが 一撃で大きな爪の一撃で跳ね飛ばされ瀕死の状態になってゆく。
次の銃弾が撃ち込まれた、が ひるむ様子は無い。
大きく立ち上がり腕を高く持ち上げた。
と その時横合いから灰色の一団がわき腹から腰に噛み付いて行ったのである。
そして首筋には銀が喉仏深く噛み付き 首を左右に振っているではないか。
跳ね飛ばされたその時を狙って第三弾が撃ち込まれた。
その上に尚も銀の一団が飛び掛る。
流石の魔王も堪らずドッと倒れ込んだのであった。
山刀が喉を掻っ切る。まさに一時間余りの死闘であった。
「ウオーン」・・・一声大きく泣いて山の中に消えて行った。
それから暫くは銀の姿を見る事はなかった。
山里は静かな生活を楽しんでいた。
が 時々狼の遠吠えを聞いたのである。
時々 里に下りて来る事はあったが誰も恐れる事もなく平和に暮らしていた。

数年の後、町に狼が出た、人を襲ったと云う噂を聞いた。
だが誰もが銀の仲間では無いと信じて疑わなかったのである。
染子は山の中に入り「ぎーん」と叫んだ。
すると何処からともなく銀は現れて擦り寄ってくる。
「お前じゃないよね、町には近寄らないよね」「クーン」と言って 甘えて来るのだった。
それは他の群れの一団が襲った事であるが、近隣の村人以外信じてくれる者はいない。
「絶対町には行って駄目だよ」染子はそう言って銀に話し掛けていた。
銀には北の山がテリトリーである。
其処には沢山の野ウサギ、狐、狸、鹿の群れが豊富にいるのである。
それを仙造達と巧く折り合いを付けて生きていたのであった。
だが、町の人には判らぬ事である。

町に住む猟師たちには理解出来ぬ事でもあった。
猟師達は狼狩りの一団を結成した。
そして仙造にも協力を求めて来たのだ。
勿論断る理由は何処にもない。人家を襲う野獣をそのままにしては置けぬ。
まず襲われた家族から特徴などを聞いた。
何でも頭の狼は片目であるという。
「もしかしたら銀が怪我をして番小屋で治療した時の相手ではないか?」ふと、そう想ったのだった。
「だとしたら銀も動くのではないか・・・」と。
染子に「銀を里に下ろすなよ」と言い含めて山を降りた。
染子は銀に首輪を付け「絶対ここに居るんだよ」と何度も言って聞かせた。
片目の狼はすばやい、そして頭も良かった。
人間の動きをすばやくキャッチして裏をかいて全く違う所に姿を見せるのである。
町の至る所に罠を仕掛ける。
しかし其処には絶対近付かない。
あざ笑うが如く海に近い方から突然現れて消える。
人の肉を食べた野獣はもう野生動物は襲わない。
遥かに人間の方が楽に襲う事が出来るからだ。
そして肉も又美味しい。
猟師達も後手後手に廻り焦っていた。


既にこの町では20名以上が片目の犠牲になっていた。
皆 見るも無残に内臓を食い荒らされ腕や手足をもぎ取られていたのだった。
憎しみは広がるばかりである。
そして恐怖も又増すばかり、不甲斐ない猟師までも攻められた。
ある時 「丘の上から片目らしきものが見下ろして居る」との情報が入った。
早速猟師達は丘に向って走り出したのであった。
「居た、確かに片目だ」急いで丘の中腹まで駆け上がった集団の背後から一斉に仲間の狼たちが襲い掛かったのである。
不意を突かれた猟師達は大混乱に陥れられたのだった。
半数以上の者が死んだ。
命からがら逃げ帰った彼らの戦意は完全に失われたのである。
残った者は山の猟師と僅かに町で出遅れた者達だけになった。
そんな時染子が息せき切ってやって来た。
「銀が鎖を噛み切って姿を消した」と言うのだ。
「何処へ行ったんだろう?」と・・・
仙造は思った「きっとこちらに来るに違いない」
山の猟師達もそう感じていた。
「銀が来れば百人力だ、彼は狼の習性を一番よく知っている」失いかけた戦意が戻って来た。
だが町の猟師たちは信じていなかった。
「狼は所詮狼だ」と・・・
「いや、違う、銀は特別の狼なんだ、山の村里の守り神なんだ」「何時も村を見守ってくれている」
しかし町の人間の理解を得る事は難しかった。
やっぱり来た。
反対側の丘の上に銀色の鬣をなびかせ額に黒い星の付いた姿が じっとこの町を見下ろしている。
そして何処かに消えて行ったのである。

それから三日後 決戦の火蓋は切られたのだった。
明け方 太陽が姿を現す頃、片目は動いた。
丘の近くの住民は皆避難していたが 怖いもの見たさで隠れて見ている者も居たのである。
片目の集団は次々と町に入って来る。
その後ろからゆっくりと片目は歩いてくる。
ジロリと周囲を見回し又歩き始めた。
かねての作戦通り 戸板で道を塞ぎその先で銃口を構えて待っていたのだった。
「よしっ今だ」充分引き付けて銃口が火を噴いた。
バタバタと前を歩いていた集団が倒れたのである。
片目は一瞬退いたが暫くするとすぐ反撃に移った。
二三頭が屋根から猟師の上に飛び掛ったのであった。
たちまち大混乱に陥った。
山刀で応戦するも狼の牙は鋭い
仙造も覚悟を決めた。
後ろの染子を庇いながら山刀を振るったのである。
染子は必死に弾込めをしてる。
その時染子の横にピタリとくっ付いて他の狼を見張ってる雌狼が居たのだ。
「銀のお嫁さんだ」と感じた途端勇気が湧いてきた。
他の場所でも狼同士血みどろの戦いを繰り広げていた。
猟師達も体制を建て直し山刀から銃に持ち替えて乱射を始めた。
仙造は「間違えるなっ味方を撃つな」と大声を上げたのだった。
だが多くの喧騒と銃声で声が届いたかどうか・・・
悠然と立っている片目に銀が飛び掛って行った。
お互い一歩も譲らぬ戦いだった。
銀の身体が真っ赤に染まった時 銀の牙が片目の首に食い込んでいた。
「ギャーッ」断末魔の叫びが響いた。
首を左右に振る、その度に血飛沫が飛ぶ。
そして片目は息絶えたのである。
銀は片目の上に乗り大きく雄叫びを挙げた。
その時一発の銃弾が銀の眉間を撃ち抜いた。
町の猟師が撃ったのだ。
「銀・・・」染子は急いで走り寄った。
「馬鹿やろうっ!撃つなと言ってるだろう」「しかし狼だろう」
途端に仙造の銃の台座が彼の顔面を殴り飛ばした。
「首輪をつけた狼が居るかっ」山の猟師たちの眼が冷ややかだった。
「俺達の仲間をよくも撃ったな」山の男達も涙を流し「銀、死ぬなよ」と口々に声を掛けていた。
「銀・・・生きていて・・・」染子の顔は涙でくしゃくしゃだった。
「クーン」銀は染子の膝の中で一声泣いて亡くなったのだった。
銀の眼は優しく染子を見詰めていた、彼女はその眼を静かに閉じてやったのである。
長い長い戦いだった。
夕陽が銀の死を悲しんでいる様に見えた。
山の猟師たちは銀を大八車に乗せて山里に連れて帰ったのであった。
間もなく銀の子供達が生まれた。
だが彼女は銀の事が忘れられないでいた、時々思い出し泣いた。
今では子供たちは猟犬として立派に働いている。
生き残った銀の仲間たちは北の山深く入り めったに姿を現す事はなかった。
が 銀の子供たちと染子が走り回って楽しんでいる時、遠くからそっと見守っているのを感じたのである。
それから数年後日本最後の狼が和歌山で発見されたと言われている。
庭の片隅に銀は眠っている、毎日花を取り替え手を合わせる。
染子は「まだ銀の子供達がここに居るのに」と思ったがやはり最後の狼は銀なのだと信じていたのだった。
今マタギの一族は里の中に同化して竹細工・一刀彫をして暮らしている。
もしかしたらあなたの隣にいるのかも・・・

     -完ー



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